W463 G55 AMG コンデンサー交換 2011.7.17 56900km
2000年式 G55L AMG :2011初夏、風は出るが冷えないという症状。これは間違いなくエアコンの冷媒漏れでしょう。
ゲージマニホールド取り付け圧力を見ると・・・ほぼゼロ!
漏れ箇所の特定が必要なので蛍光剤を7mlほど注入→真空引き後冷媒1000g入れ調査開始
G36のTAKEさんに聞くとコンデンサーからの漏れも多いようです。
蛍光剤注入してから3日・・・紫外線ライトを当てたらコンデンサーから激しい着色あり!蛍光色がハッキリしています。
ここから漏っていると判断。車体下へ出る排水には蛍光剤反応は無いので「コンデンサーからの漏れ」と断定。
この時点で部品を注文しました。
1、463 500 04 54 コンデンサー
2、463 500 02 49 レシーバードライヤー
3、004 820 68 10 プレッシャースイッチ
4、124 820 83 10 プレッシャースイッチ
2011.7.13 部品が届いたので交換作業に入る
1、まず○ の2面幅10mmボルト外す
2、○ の2面幅13mmボルトはずしラジエターアッパーサポートを上へ引き抜きながら外す
3、今回は後つけのホーン外してから○ のナットを外す
↓画像、レシーバードライヤーは○(18Nm)を緩め○の配線を外してから緩め(24Nm)を外し○(12Nm)も配線を外す。
レシーバー外すには本体の取り付けバンドを緩める
ラジエターアッパーサポートを外し配管と配線を外すと電動ファンとコンデンサー一体で上へ引き抜くことにより外すことが出来る。
レシーバーの配管は外すがコンデンサー下側の配管はそのままで画像のように取り出すことが出来ます。
ラジエターアッパーサポートはボンネットリリースワイヤーはつけたままエンジンルームへ載せた。
H部分にはグリスアップして動きがよくなるように。
手で支えているのは電動ファンへのコネクター。
電動ファンとコンデンサーを分離し冷媒漏れ箇所の観察○部分
まず、激しく漏れて着色が多い部分、コンデンサーと固定用のブラケットを外してみた。
電位差腐食を防ぐための絶縁スリーブが入っているビス
黒い塗装なので素材を確かめるべくマグネットで調査
ブラケットとビスが鉄でコアはアルミ。年数が経過してゆくうちにブラケットの塗装が剥がれサビを発生!このときから絶縁が壊れ腐食が始まったと考えます。この異種金属どうしで電位差の腐食があろコア部分のアルミが薄くなり冷媒が漏れたというところでしょう。
電位差腐食・・・基本的な設計ミスといわれても仕方ないと思います。
このブラケットをプラスチックで作れれば・・・ビスも同じ素材で。それが出来たらコンデンサーはもっと長持ちするでしょう。
コアの塗装を剥いで見るとボロボロに腐食があります。広範囲での腐食と漏れなので「漏れ止め剤」は効かないかも。
Aの部分に鉄サビ付着があるので、ここから絶縁が壊れたか??Bも良く見ると塗装がぼこぼこに浮いています。
(緑色の液体は漏れ箇所を特定するために入れた蛍光剤です)
腐食したコアのアップ
ここで新品のコンデンサーに絶縁対策を考えましたがブラケットを樹脂で作るとか、ビスも樹脂製を使うなど方法はありそうですが
すぐに改造と言うう訳には行かず・・そのまま取り付けました。
レシーバーの交換。マニュアルでは「エアコンサイクルを開放したときは必ずレシーバーは交換します」とあります。
INとOUT 配管2箇所のOリングは交換。2種類のプレッシャースイッチ(Oリング付属)も大事をとって交換しました。
Oリングはコンプオイル塗布。ネジ部分にオイルはつけません。
コンプオイル(ND-8)の補充は○を取り付ける前にホース側へ注入しました。
1、コンデンサー交換では20ml
2、レシーバー交換では10ml
となっていますが「漏れて失った」量もありますので、今回は35ml入れました。
この辺の数値はマニュアルと経験から判断です。レシーバー本体の取り付けは矢印のバンドのみです(8mm)
コンデンサー取り付け。右下の配管はOリングを新しくして締め付けは37Nm
真空乾燥中→真空の維持を確認してから45分ほど乾燥し冷媒を規定量1030g注入。お湯で冷媒缶を暖めながら入れます。
エンジンを1500rpmで回しながら600gほど入れたところで赤いプレッシャースイッチが反応し電動ファンが回りだしました。
室内の冷気も十分に出てきます。試運転後数日置いて冷媒圧力を確認し漏れも紫外線ライトで見てOKとなりました。
作業を通じて情報を提供してくださった皆さんに感謝です。
作業完了後試運転で1時間ほど走りました。台風の接近で外気温35.5℃の中でしたが冷えは十分!
ファンの位置、2で寒いくらい冷えてきたので1へと風量を落としました。これで完了とします。